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チュウデ校長「一日一題」金曜日担当★4/24・5/1分

2015年05月13日

チュウデ校長★人生初の連続コラム執筆でございます♪

山陽新聞夕刊「一日一題」4・5月金曜日を担当。

「チュウデと豹柄と私」とはひと味違う★校長です!!!

一日一題4.24.jpgThink different  Just do it ‼

中国デザイン専門学校長   田口 一子

 

私は中国デザイン専門学校のファッションデザイン科を卒業後、神戸の大手アパレルメーカーでデザイナーとして働きました。

その時、気づきました。

ジーンズはどんなブランドでもラインナップされていて、誰もが一本は持っているのに、専門的に学べる学校はどこにもない、と。

岡山を含む三備地区は世界から賞賛されるデニム・ジーンズの聖地。母校の教員となり、デニム関連企業を知れば知るほど岡山は即戦力となる人材を育成するのにふさわしい環境だと確信しました。

そこで、Think different  Just do it‼ 2003年、全国で初めて、デニム・ジーンズコースを新設したのです。

他に類がないので教科書作りから始めました。デニム関連企業にヒアリングや監修の協力を得て、文部科学省の委託事業にも採択され、4種の教科書を作成。企業の新入社員教育にも活用されました。デニム素材等は企業に提供いただき、縫製に不可欠な特殊ミシンも中古で一式そろえました。マニアにはたまらない「ユニオン・スペシャル」社のミシンも完備し、教室はまさにジーンズ工房です。

このコースにはジーンズ好きのマニアックな男子学生が多く、北海道出身者や東京の理系大学を卒業した社会人も学びました。彼らは技術伝承を目指したり、織機(セルビッチ)に興味があったり、ミシンの部品を自作したり。在学中にオリジナルブランドを立ち上げる学生もいました。

12年間卒業生を送り出しましたが、大半がデニム・ジーンズの「川上から川下まで」地元各社に採用され、就職率は100%です。

デニム・ジーンズを学ぶ環境は私がつくりましたが、育ててくれたのはデニム関連企業の方々。0(ゼロ)を1(イチ)にしたら、100にしてくださいました。本当に私はラッキーだと思っています。2015・4・24

 

 

一日一題5.1.jpg国産ジーンズ50年

中国デザイン専門学校長 田口 一子

 

1965年に倉敷市児島地区で国産ジーンズの生産が始まり、今年50年。元旦付の山陽新聞座談会「国産ジーンズ50年 岡山の挑戦者たち」では、教育を通じてジーンズに関わっている私も語らせていただきました。4月からは連載「ジーンズ開拓史」がスタート。みなさんも三備地区のデニム・ジーンズの記事を目にする機会が増えたと思います。

三備地区にはブランドを展開するメーカーをはじめ、染色・織布・縫製・加工など工程ごとに細分化した関連業者が集結し、一大産地を形成しています。工程ごとにそれぞれ専門性を発揮し、機能やデザインに工夫を凝らして進化させた結果が高品質化につながり、「デニム・ジーンズの聖地」となりました。

しかし、かつての大量生産から多品種少量生産が主流となり、ファストファッションを代表する安価な海外製品や量販店による独自ブランドの台頭など業界を取り巻く環境は大きく変化しています。

海外の主要都市にはユニクロのショップがあり、昨年末にマーケティングリサーチしたシンガポールではオシャンティな若者が「ジーンズのユニクロ」と語っていました。

三備地区の今後ですが、高品質なものづくりはマスマーケットを展開しているビジネスと相反しており、価値が二極化した市場でこのままでは「特産品」や「伝統工芸品」との位置付けで落ち着いてしまう危惧があります。しかし、半世紀にわたって培ってきた技術はやはりビジネスとして発展する方に生かしてほしいと思います。

自社の強みをもった企業や若手経営者が集結し、三備地区のブランディングと底上げを目指す。そして、連携した地場各社が世界市場で活発な事業展開をしていくことでさらに成長するはずです。

業界の給与水準や労働環境が向上すれば多くの若者が集まり、産地の将来を支える力になると思います。デニム・ジーンズへの情熱とプライドをもった人材の育成が私たちの使命です。 2015・5・1

 

  

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