INTERVIEW

家族が笑顔になる
家づくりを目標に
設計の道へ

インテリア・プロダクト科建築工学専攻3年
山内 真奈さん
広島県立戸手高等学校

行動力で飛び込んだ建築設計への道

cdc_02_02.jpg

高校3年生の卒業3ヶ月前の決断

高校3年生の12月、祖母の家に家族で集まったとき、亡くなった祖父がその家を設計したことを聞きました。

小さい頃、よく遊びに行っていたその家は和風の家で、築50年近く経っています。床がきしんだり、すき間ができていたり、ドアも古びた色合いに変化していますが、祖母は思い出がつまった家を大切にしています。

祖父が亡くなった後も家族が幸せに暮らす家。

「私も家族が笑顔になる家を建てたい」と思い立ちました。

実は中学生から美容師を目指していて、すでに進学する美容師の学校も決まっていました。高校卒業の3カ月前、建築設計の道に進みたいと決意し、先生と改めて進学先を探したのです。

中国デザイン専門学校は高校の先生に紹介してもらい、オープンキャンパスに訪れました。

インテリア・プロダクト科の建築工学専攻は少人数制で、先生との距離が近いことが入学の決めてになりました。

cdc_02_03.jpg

デザインのアイデアと考え方を鍛える

中国デザイン専門学校は2年に進級するときに専攻を選びます。

インテリア・プロダクト科では1年生は建築設計だけでなく、家具、ジュエリー、陶芸、雑貨などのデザイン・加工について全般的に学びます。雑貨のデザインを20案提出するという課題もありました。幅広い分野にふれたことにより、アイデアを生み出す基礎が身についたと思います。

また、建築の中山先生からは自分の意見を伝えることの大切さを教わりました。中山先生に相談し、アドバイスをもらいながら、よりよい方向に持っていくことができるようになりました。

様々な授業を受講してみて、改めて建築設計が一番やりたいことだと確信し、建築工学に進みました。

cdc_02_04.jpg

学生だからこそチャレンジできる
設計課題

2年生からは、建築CADやイラストレーターのソフトの使い方、製図など実務に役立つ技術を学びます。中でも設計の課題が深く印象に残っています。

2年生の店舗設計の課題では先生が学生一人一人に合ったテーマを考えてくれて、美容院をテーマにプレゼンテーション用の資料を作成しました。

子どもの頃の美容師になる夢と、今の建築士になる夢を同時に実現できるテーマで、設計から内装や家具、照明に至るまで、自分の理想の美容院を思い描きながら取り組みました。

cdc_02_05.jpg

進級課題は実際の敷地を想定した住宅の設計。

両側を高い建物に挟まれた小さな敷地。そこに自分だけの空を見つけられる「空の見える家」をコンセプトにしました。

cdc_02_06.jpg

3階建ての学生向けシェアハウスで、各部屋には天窓を設けて空が絵のように見えるような仕掛けを作り「空の見える家」を表現。1階には地域の人たちも自由に行き来できる路地とコインランドリーを設置して、学生と地域の人が交流できるようにしました。

2階、3階のシェアハウス部分には共用の図書室や中庭もあります。

cdc_02_07.jpgcdc_02_08.jpg

本格的な模型制作はこの課題が初めて。中山先生から、やりたいことが人に伝わるように模型にも表現した方がよいとアドバイスをもらい、細部にも工夫を凝らしました。実物の1/20の模型は1mを超える大きさで、水平・垂直をきちんと取らないと崩れてしまいます。模型作りは正確さが大切だと学びました。

「家族の笑顔」が「街に住むみんなの笑顔」につながる

cdc_02_09.jpg

インターンシップ体験で
お客様の要望を実現

学校の課題では自分の好きなように設計ができる楽しさの反面、現実味に欠けるという面もあります。2年生のときに建築設計事務所で体験したインターンシップで、実際のお客様の要望を形にする難しさと楽しさと体験しました。

中国デザイン専門学校にはインターンシップの提携をしている企業があります。学生のほとんどは提携する企業でインターンシップを実施します。でも、自分は地元で気になっていた建築設計事務所でインターンシップをしたいと考えていました。先生に相談して、学校からその事務所に依頼してもらい、5日間のインターンシップが実現しました。

インターンシップではお客様の住宅設計とインテリアコーディネートを担当しました。

実際の敷地や限られた空間内に収める難しさを知りました。様々な制約やご要望があるなか、駐車場を4台分確保したり、食料を保管するパントリーを取り入れたりと工夫を凝らしました。

事務所の新人の方が設計したモデルハウスの見学し、設計図と実物の住宅を見比べることができたのも貴重な経験でした。

cdc_02_10.jpg

卒業制作の舞台は
子どもの頃から親しんできた
近所の商店街

卒業制作の舞台は子どもの頃によく通っていた近所の商店街の賑わい作りをテーマに選びました。

以前は地元の人々で賑わっていて、陶芸の店にもよく通っていた思い入れのある場所です。

今では、初めて訪れた人が商店街だと気づかないほどシャッターが閉まり寂しい雰囲気になっています。そこで、最寄り駅からプラットフォームを商店街へとのばして、ぐるっと巡らせて、駅の利用者を商店街に呼び込む仕掛けを考えました。

cdc_02_11.jpg

まずは1/500のスケールでスタディ模型を作り、どの空間に広いスペースが取れるかを地図上で検討しました。

プラットフォームはアーケードの天井になったり、ステージになったり、壁になったりして、人の動きが生まれる空間を生み出します。

また、プラットフォームのつながりの中には高齢者施設や学童保育施設、公園など、商店街に必要な機能も盛り込み、現実性も考慮。中山先生が紹介してくれた日本や世界のコンペや雑誌を見て、アイデアを広げていきました。

自分の好きなことができるのは学生の特権。楽しみながら取り組んでいます。

cdc_02_12.jpg

卒業後は建築設計事務所に就職することが決まりました。学校が、希望する建築設計事務所を探してくれたり、1人1人に対して就職活動のアドバイスをしてくれます。

使う人をイメージして建築の動線や配置を考えることが本当に楽しい。

いつか自分や友人の家を設計して喜んでもらいたい、それが今の目標です。

インテリア・プロダクト科INTERIOR PRODUCT
学科について詳しく見る

ENTRANCE入学をお考えの方へ